慶應義塾大学 シラバス・時間割

哲学原典研究Ⅰ(独)

サブタイトルハイデッガーの「カント」講義を読む
担当者名丸山 文隆
単位2
年度・学期2024 春
曜日時限金4
キャンパス三田
授業実施形態対面授業(主として対面授業)
登録番号62832
設置学部・研究科文学部
設置学科・専攻人文社会学科(哲学系)哲学専攻
学年2, 3, 4
分野専門教育科目哲学専攻専門コース 選択必修B
評語タイプログインすると表示されます(要慶應ID)。
科目概要本科目は、哲学の重要な諸理論を詳細にわたって理解し、その先端的研究に触れることを目的とする選択必修科目の1つである。
K-Number FLT-PH-34122-311-01
科目設置学部・研究科FLT文学部
学科・専攻PH人文社会学科(哲学系)哲学専攻
科目主番号レベル33年次配当レベル
大分類4専門教育 応用/発展科目
小分類12哲学専攻共通 - 哲学原典研究
科目種別2選択必修科目
科目補足授業区分3演習
授業実施形態1対面授業(主として対面授業)
授業言語1日本語
学問分野01思想、芸術およびその関連分野

授業科目の内容・目的・方法・到達目標

授業の内容はマルティン・ハイデッガーが1927/28年冬学期にマールブルク大学で行った講義「カントの純粋理性批判の現象学的解釈」を冒頭からドイツ語で読んでいくことにある。このテクストはいくつかの理由で熟読する価値がある。第一に、ハイデッガーの講義録は公刊著作に比してきわめて読みやすく、理解しやすい文章から成っている。特に1920年代後半の諸講義は非常に内容が充実しており、大学の講義として非常に刺激的だといえる。本講義は公刊著作『カントと形而上学の問題』に引き継がれる内容を多く含むが、まずはこの読みやすい講義のほうから読んでいくことを推奨する。ハイデッガーのカント解釈はかなり個性のあるものではあるが、単に乱暴なだけではなくて一貫した思考の筋道にしたがっているため、カント哲学をこれから勉強していきたい受講者にとっても一定の参考になると思われる。第二に、この講義は未完に終わった『存在と時間』(1927年)とのあいだに独特の関係にあり、ハイデッガーの思想的発展にとって重要な位置をもつ。『存在と時間』公刊部は「存在一般の意味への問い」の準備としての現存在の分析論を完成したが、同著公刊直後のハイデッガーはいよいよ「存在一般の意味への問い」そのものを展開しようとしていた。この講義は、カントの『純粋理性批判』をまさにこの問いの先駆者とみなしたうえで、この問いの内在的な困難の解決を、カント解釈のなかでこの問いの内在的困難と対峙していたのだ。
授業の目的はドイツ語の哲学的テクストを緻密に読んでいく際の基礎的な能力の養成である。この目的には、哲学的問題をテクストから読みとり、展開し、整理する能力と、西洋哲学史に関する基本的な知識とを習得することも含まれる。
授業の方法は講読である。各回に担当者を決めて訳読するほか、議事録を作成して議論の内容を共有する。
授業の到達目標はドイツ語の哲学的テクストを緻密に読むための基礎的な能力の習得である。

能動的学修形式説明

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準備学修(予習・復習等)

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授業の計画

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成績評価方法

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テキスト(教科書)

Martin Heidegger, Gesamtausgabe Bd. 25, V. Klostermann, 1977
(入手方法や講読箇所等については初回に案内する)

参考書

(1) ハイデッガー全集第25巻『カントの純粋理性批判の現象学的解釈』、東京大学出版会、2021年(創文社版全集と同内容)
(2) ハイデガー『存在と時間』、高田珠樹訳、作品社、2013年(その他、熊野純彦訳等も)
(3) カント『純粋理性批判』、全三冊、平凡社ライブラリー(その他、熊野純彦訳等も)
(4) 冨田恭彦『カント入門講義』、ちくま学芸文庫、2017年(早めに通読することを推奨する)
(5) 細川亮一『ハイデガー入門』、ちくま新書、2001年(早めに通読することを推奨する)
(6) ハイデガー・フォーラム編『ハイデガー事典』、昭和堂、2021年(特にテーマ項目「カント」)
(7) 丸山文隆『ハイデッガーの超越論的な思索の研究』、左右社、2022年(特に、序論、第一章、第四章、第七章、結論)

担当教員から履修者へのコメント

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