慶應義塾大学 シラバス・時間割

情報処理Ⅲ(fortran言語による統計データ処理Ⅱ)

担当者名赤林 由雄
単位2
年度・学期2011 秋
曜日時限火4
キャンパス日吉
登録番号61265
設置学部・研究科経済学部
設置学科・専攻経済学科 タイプA・B
学年1, 2
分野基礎教育科目選択(05学則)
基礎教育科目選択情報処理Ⅰ、情報処理Ⅱ、情報処理Ⅲ(10学則)

授業科目の内容・目的・方法・到達目標

 諸君が大学において研究を進めていくにあたって、さまざまな形の情報を処理していかなければならない。その際、強力なツールになるのはコンピュータであり、その処理の多くはワードプロセッサや表計算ソフト、統計処理パッケージなどのアプリケーションソフトで対処できるものである。しかしながらそこでできるのはあくまでお仕着せの処理であり、必ずしもかゆいところに手が届くような仕様になっているとは限らない。自分が本当にやりたいことをコンピュータにやらせるためには自分でプログラムを組む必要がある。そのためには何か一つ言語を習得しておくことが必須の条件である。
 また自分でプログラムを組むことにより、コンピュータがさまざまな処理をどのようにおこなっているかの一端が理解できるようになる。これはけっして無駄なことではない。この経験はアプリケーション・ソフトを使用している際に発生するさまざまなトラブルに遭遇したときに生きてくる。計算機での一般的な処理がわかればある程度の対処の仕方がわかってくるのである。
 私が担当する情報処理II・IIIでは、fortran言語を使ったプログラミングを扱う。
 このfortranはコンピュータが実用化した当初からあるプログラミング言語であり、主に科学技術計算に使われている。計算機科学の専門家にはいつも時代遅れというレッテルを貼られ、まもなく廃れるであろうと言われ続けながらもしぶとく生き残ってきている言語である。それは大型コンピュータでもパーソナル・コンピュータでもそれほど使い勝手がかわらず、初心者にとっては理解が容易な言語だからというのがその理由の一つである。おそらく実際の処理に使える段階に到達する速度は他の言語よりもかなり早いのではなかろうか。
 諸君はこの言語によるプログラミングを通じて、コンピュータで情報を処理するためにはどのような手順をふむべきかを修得してほしい。ここで一つの言語と処理の手順をものにできれば、他の言語での処理の修得はかなり楽なものになるだろう。
 また経済学部の学生がよく使う計量分析用のパッケージTSPはもともとfortran言語で開発されたという経緯があり、fortran言語に近いコマンド体系をとっている。したがってfortranを学ぶことにより、TSPを違和感なく高いレベルで使えるようになるだろう。
 春学期の情報処理IIではプログラミング言語fortranの基本的な文法と基本的なアルゴリズム(処理の手順)の修得を目的とする。これはあくまで基本である。この基本を前提として、秋学期の情報処理IIIでは諸君が経済学の研究を行っていくうえで実際に遭遇するであろうさまざまな事例を解決していくためのプログラミング技法の修得を目的とする。実際のデータを扱う場合、さまざまなデータの性質をふまえて処理をする必要がある。数値計算をするとき、統計処理をするとき、また大量のデータを効率的に処理しようとするとき、その場面に応じて必要となる技法がある。それらを具体例に即して覚えていき、この講義が終わったときには使えるプログラムを組めるようになることがこの講義の目標なのである。

授業の計画

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成績評価方法

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テキスト(教科書)

 『FORTRAN77入門』浦昭二編 培風館

参考書

 William H. Press, et al. NUMERICAL RECIPES ―The Art of Scientific Computing―, Cambridge University Press.
 『岩波コンピュータサイエンスFORTRAN77最適化プログラミング』茨城俊秀・福島雅夫著 岩波書店

担当教員から履修者へのコメント

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