Keio University Syllabus and Timetable

EDUCATIONAL PSYCHOLOGY

Subtitle生徒の心身の発達及び学習の過程
Lecturer(s)YAMAMORI, KOYO
Credit(s)2
Academic Year/Semester2026 Fall
Day/PeriodTue.5
CampusHiyoshi
Class FormatFace-to-face classes (conducted mainly in-person)
Registration Number47970
Faculty/Graduate SchoolCENTER FOR TEACHER EDUCATION AND RESEARCH
Department/MajorTEACHER TRAINING COURSETEACHER TRAINING COURSE
Year Level1, 2, 3, 4
Grade TypeThis item will appear when you log in (Keio ID required).
Course DescriptionThis course is related to basic understanding of education. Students will study the physical and mental development of infants, children, and students, as well as the process of learning.
K-Number TTC-TP-20302-211-10
Course AdministratorFaculty/Graduate SchoolTTCCENTER FOR TEACHER EDUCATION AND RESEARCH
Department/MajorTPTEACHER TRAINING COURSETEACHER TRAINING COURSE
Main Course NumberLevel2Second-year level coursework
Major Classification0Other Course
Minor Classification30Course Related to Pedagogy
Subject Type2Elective required subject
Supplemental Course InformationClass Classification2Lecture
Class Format1Face-to-face classes (conducted mainly in-person)
Language of Instruction1Japanese
Academic Discipline10Psychology and related fields

Course Contents/Objectives/Teaching Method/Intended Learning Outcome

内容と目的
この講義では,教育心理学の主要分野のうち,発達,教授・学習,社会,測定・評価,思考・認知の各分野の基礎的な理論を学び,確からしさが高いと考えられる実証的知見を検討する。発達段階を見通し個人差を考慮した学習活動を,実証的知見を根拠とした理路の通った説明にもとづいて計画・実施するための考え方を形成することが,この講義の目的である。

方法
図書館所蔵の教育心理学の概説書や学術論文を用いながら,発達,教授・学習,社会,測定・評価,思考・認知の各分野の基礎的な理論を学ぶ。並行して,各分野に関する研究知見の統計的統合(メタ分析)を行った最新の研究論文を講読し,発達の過程や学習指導の効果の具体を検討する。そのうえで,学んだ基礎的理論と検討した研究知見を統合的にとらえなおす。

到達目標
1. 幼児,児童及び生徒の心身の発達に対する外的及び内的要因の相互作用,発達に関する代表的理論を踏まえ,発達の概念及び教育における発達理解の意義を理解している。
2. 乳幼児期から青年期の各時期における運動発達・言語発達・認知発達・社会性の発達について,その具体的な内容を理解している。
3. 様々な学習の形態や概念及びその過程を説明する代表的理論の基礎を理解している。
4. 主体的学習を支える動機づけ・集団づくり・学習評価の在り方について,発達の特徴と関連付けて理解している。
5. 幼児,児童及び生徒の心身の発達を踏まえ,主体的な学習活動を支える指導の基礎となる考え方を理解している。

Course Taught by Faculty Member with Professional Experience

Not applicable

Active Learning MethodsDescription

Presentations
Group work

Preparatory Study

授業の計画に示した事前課題,持ち帰り課題に取り組むこと。
さらに,授業のまとまりごとに,上記の到達目標に自身が到達したことの証拠を,関連する講義の内容を示し,講義で扱った文献を引用して,図表を用いてまとめること。

Course Plan

Lesson 1
教育心理学とはどのような学問か
教育心理学とはどのような学問なのか,なぜ教師になるために学ぶ必要があるのかを考える。

講義内課題:図書館が所蔵している教育心理学の概説書の電子ブックを1冊選んで眺め,教育心理学とはどのような学問なのか考え,教室で共有する。
Lesson 2
生徒が教室に携えてくるもの(1)
運動能力,言語能力,認知能力,社会性のいずれか一つ(担当教官がアサインする)について,グループワークを行い,乳幼児期から青年期にかけてどのように発達するのかを,図書館の所蔵資料や電子ブック1冊を選んで読み,まとめる。

持ち帰り課題:運動能力,言語能力,認知能力,社会性のいずれか一つ(担当教官がアサインする)について,乳幼児期から青年期にかけてどのように発達するのかを,図書館の所蔵資料や電子ブック1冊を選んで読み,まとめ,次回講義開始前までに提出する。
Lesson 3
生徒が教室に携えてくるもの(2)
一人の生徒は,運動能力,言語能力,認知能力,社会性をどのように発達させ,中学校や高等学校に進学することとなるのか,これらの発達を時間軸でまとめ,生徒は何を教室に携えてくるのかをとらえる。

講義内課題:前回の講義内課題の成果を発表する。
Lesson 4
個人差特性の発達的変化
協調性,勤勉性,外向性,開放性といったビッグファイブパーソナリティ特性のメタ分析を行った研究論文を取り上げ,青年期から老年期にかけての変化を検討する。
取り上げる論文は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。内容は担当教官が解説するので,原文を自身で読む必要はない。
Roberts, B. W., Walton, K. E., & Viechtbauer, W. (2006). Patterns of mean-level change in personality traits across the life course: A meta-analysis of longitudinal studies. Psychological Bulletin, 132(1), 1-25. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.1.1

事前課題:以下の論文(オープンアクセス)を読んで,ビッグファイブパーソナリティ特性とは何か,その発達の傾向を把握する。
川本哲也・小塩真司・阿部晋吾・坪田祐基・平島太郎・伊藤大幸・谷 伊織. (2015). ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性の年齢差と性差----大規模横断調査による検討 発達心理学研究, 26(2), 107-122. https://doi.org/10.11201/jjdp.26.107
Lesson 5
認知発達における教師--生徒間相互交渉の役割
実行機能の育成と教室での教師--生徒間相互交渉との関係に関するメタ分析を行った研究論文を取り上げ,認知能力などの発達における社会的な相互作用の役割を検討する。
取り上げる論文は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。内容は担当教官が解説するので,原文を自身で読む必要はない。
Vandenbroucke, L., Spilt, J., Verschueren, K., Piccinin, C., & Baeyens, D. (2018). The Classroom as a developmental context for cognitive development: A meta-analysis on the importance of teacher–student interactions for children’s executive functions. Review of Educational Research, 88(1), 125–164. https://doi.org/10.3102/0034654317743200
Lesson 6
知識構成としての学校での学習
最近の教育心理学の知見を踏まえると,学校での学習(classroom learning)とは,学習者が主体的に処理を行い,知識を構成し,概念を形成することと言いうる。学校での学習の特徴,学習者が行う処理や思考,構成される知識の種類,概念形成,動機づけについて概説する。
Lesson 7
様々な学習方法の効果(1)
様々な学習の形態の中から,テキストへの線引き,コンセプトマップ,フィードバックなどをとりあげ,これらの効果についてメタ分析を行った研究論文を,担当教官がアサインするグループで読み,概要をまとめる。文献は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。
テキストへの線引き:Ponce, Mayer, R. E., & Méndez, E. E. (2022). Effects of learner-generated highlighting and instructor-provided highlighting on learning from text: A meta-analysis. Educational Psychology Review, 34(2), 989–1024. https://doi.org/10.1007/s10648-021-09654-1
練習テスト:Sotola, & Crede, M. (2021). Regarding class quizzes: A meta-analytic synthesis of studies on the relationship between frequent low-stakes testing and class performance. Educational Psychology Review, 33(2), 407–426. https://doi.org/10.1007/s10648-020-09563-9
コンセプトマップ:Schroeder, Nesbit, J. C., Anguiano, C. J., & Adesope, O. O. (2018). Studying and constructing concept maps: A meta-analysis. Educational Psychology Review, 30(2), 431–455. https://doi.org/10.1007/s10648-017-9403-9
フィードバック:Mertens, Finn, B., & Lindner, M. A. (2022). Effects of computer-based feedback on lower- and higher-order learning outcomes: A network meta-analysis. Journal of Educational Psychology, 114(8), 1743–1772. https://doi.org/10.1037/edu0000764

講義内課題:上記の論文のうち,アサインされたものをグループで読み進める。
Lesson 8
様々な学習方法の効果(2)
テキストへの線引き,コンセプトマップ,フィードバックなどの効果に関する論文について,グループワークを行い,概要をまとめる。

持ち帰り課題:グループワークの成果物を,次回講義開始前までに提出する。
Lesson 9
様々な学習方法の効果(3)
グループで読んで概要をまとめた,テキストへの線引き,練習テスト,コンセプトマップ,フィードバックに関する論文の概要を発表する。これらの論文の概要から,効果的な学習方法に共通する特徴を抽出する。

講義内課題:グループワークの成果を発表する。
Lesson 10
適性処遇交互作用
学習のアウトカムが適性と処遇の組み合わせによる効果として現われる現象であり,教育心理学の主要なパラダイムである適性処遇交互作用について概説する。
Lesson 11
主体的に学習に取り組む学習者の姿(1)
学習者は主体的に,持ち合わせた能力を発揮し,既有知識に新たな知識を付加し,知識の構造を再構成し,概念化していく。主体的に学習に取り組める学習者はsuccessful learnerであると言えるが,その姿を説明する理論の代表的なものの一つが,動機づけ理論である。代表的な動機づけ理論である,自己決定理論で説明されている動機の種類による,学校・学習への適応や学習成果の違いに関するメタ分析を行った論文を講読し,動機づけの質が課題遂行に与える影響を検討する。
取り上げる論文は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。内容は担当教官が解説するので,原文を自身で読む必要はない。
Howard, J. L., Bureau, J. S., Guay, F., Chong, J. X. Y., & Ryan, R. M. (2021). Student Motivation and Associated Outcomes: A Meta-Analysis From Self-Determination Theory. Perspectives on Psychological Science, 16(6), 1300–1323. https://doi.org/10.1177/1745691620966789

事前課題:学習意欲とは何かを,図書館の所蔵資料や電子ブック1冊を選んで読み,まとめる。
Lesson 12
主体的に学習に取り組む学習者の姿(2)
Successful learnerの姿を説明する理論として重要なものの一つに,自己調整学習理論があげられる。メタ認知能力や,自己調整学習能力と学力との関係についてメタ分析を行った論文を講読しながら,自己調整学習能力とはどのような能力か,どのような自己調整学習能力を教室で育成するべきかを検討する。
取り上げる論文は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。内容は担当教官が解説するので,原文を自身で読む必要はない。
Dignath, C., & Büttner, G. (2008). Components of fostering self-regulated learning among students. A meta-analysis on intervention studies at primary and secondary school level. Metacognition and Learning, 3(3), 231–264. https://doi.org/10.1007/s11409-008-9029-x
Dignath, C., Buettner, G., & Langfeldt, H.-P. (2008). How can primary school students learn self-regulated learning strategies most effectively? Educational Research Review, 3(2), 101–129. https://doi.org/10.1016/j.edurev.2008.02.003

事前課題:自己調整学習とは何かを,図書館の所蔵資料や電子ブック1冊を選んで読み,まとめる。
Lesson 13
他者とかかわりながら学ぶ教室
Classroom learningの特徴は,教師の指導のもとで他者とかかわりながら学ぶというところにある。生徒同士の関係が学力に与える影響についてメタ分析を行った論文を講読しながら,ともに学ぶものがいる教室ならではの学習の意義を検討する。
取り上げる論文は以下の通りであり,図書館契約の電子ジャーナルから入手できる。内容は担当教官が解説するので,原文を自身で読む必要はない。
Tenenbaum, Winstone, N. E., Leman, P. J., & Avery, R. E. (2020). How effective is peer interaction in facilitating learning? A meta-analysis. Journal of Educational Psychology, 112(7), 1303–1319. https://doi.org/10.1037/edu0000436
Wentzel, K. R, Jablansky, S., & Scalise, N. R. (2018). Do Friendships Afford Academic Benefits? A Meta-analytic Study. Educational Psychology Review, 30(4), 1241–1267. https://doi.org/10.1007/s10648-018-9447-5

事前課題:協同学習が効果的である理由を,図書館の所蔵資料や電子ブック1冊を選んで読み,まとめる。
Lesson 14
生徒の発達的特徴,個人差,学習活動が展開される環境の違いを踏まえた効果的な学習活動の計画・実施
生徒が教室に携えてくるもの,個人差特性の発達的変化,認知発達における教師--生徒間相互交渉の役割,知識構成としての学校での学習,様々な学習方法の効果,主体的に学習に取り組む学習者の姿,教師の指導のもとで他者とかかわりながら学ぶ教室,といったこの講義で扱った内容を,統合的にとらえなおし,発達段階を見通し個人差を考慮した学習活動を,実証的知見を根拠とした理路の通った説明にもとづいて計画・実施するための考え方として組み立てる。
Other
最終課題に関する個別のフィードバックを行い,今後の学修に役立てるようにする。
なお,上記の内容や順序は,学事日程(補講日,休校期間など),講義内容の進捗,履修者の興味関心により,この講義の到達目標及び目的に変更が生じない程度に,修正や入れ替えをすることがあります。

Method of Evaluation

事前課題,講義内課題,発表に一定程度取り組んだ者を最終課題提出可とする。最終課題の内容は上記の到達目標に対する到達状況を判定するための持ち帰り試験(レポート形式)を予定。評価基準などはあらかじめ公開する。

Generative AI Policy for Classes

・この講義では,自力で収集した先行研究等のファイルを翻訳したり概要を作成したりする場合や,中学校や高校の授業を想定した模擬教材の作成に生成AIを使うことを認めます。ただし,文献検索,先行研究や文献レビューの作成自体を生成AIを用いて行うことは認めません。
・成績に関係する成果物を生成AIを用いて作成することは認めません。使用が発覚した際には,評価対象外とする場合や,不正行為として処分の対象とする場合があります。

Textbooks

特に指定しません。必要な資料はK-LMSで配付することを予定しています。また,図書館の蔵書や電子ブックを活用してください。このシラバスの執筆時点で本文にフルアクセスできる教育心理学の概説書は,以下3点です。
鹿毛雅治(編)(2006) 教育心理学(朝倉心理学講座8) 朝倉書店 https://search.lib.keio.ac.jp/permalink/81SOKEI_KEIO/188bto4/alma990014605100204034
熊谷龍一・荘島宏二郎 (2015) 教育心理学のための統計学----テストでココロをはかる 誠信書房 https://search.lib.keio.ac.jp/permalink/81SOKEI_KEIO/188bto4/alma9926574715904034
子安増生・田中俊也・南風原朝和・伊東裕司 (2015). 教育心理学(ベーシック現代心理学6) 第3版 有斐閣 https://search.lib.keio.ac.jp/permalink/81SOKEI_KEIO/188bto4/alma9926576593004034

Reference Books

発達心理学
桜井茂男(編)(2010).楽しく学べる最新発達心理学 図書文化
田島信元・岩立志津夫・長崎 勤 (2016). 新・発達心理学ハンドブック 福村出版
※認知発達に関する詳細な議論を知ることができる

子どもの身体,運動能力の発達に関する詳しいデータ
持丸正明・山中龍宏・西田佳史・河内まき子(編)(2013). 子ども計測ハンドブック 朝倉書店

教育心理学
安藤寿康・鹿毛雅治(編)(2013). 教育心理学─教育の科学的解明をめざして 慶應義塾大学出版会
Hattie, J. (2009). Visible Learning: A Synthesis of Over 800 Meta-Analyses Relating to Achievement. Routledge. (ハッティ, J. 山森光陽(監訳)(2018). 教育の効果─メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化 図書文化)
Weinstein, Y., Sumeracki, M., & Caviglioli, O. (2019). Understanding how we learn: A visual guide. Routledge. (ワインスタイン, Y., スメラック, M., & and カヴィグリオリ, O. 岡崎善弘(訳)(2022). 認知心理学者が教える最適の学習法─ビジュアルガイドブック 東京書籍)

Lecturer's Comments to Students

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Question/Comments

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