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現代日本経済論a(寄附講座, CONTEMPORARY JAPANESE ECONOM
| サブタイトル | 日本経済の「新たな景色」とは?(極東証券寄附講座) |
|---|---|
| 担当者名 | 川本 明 |
| 単位 | 2 |
| 年度・学期 | 2023 秋(学期前半) |
| 曜日時限 | 火4,5 |
| キャンパス | 三田 |
| 授業実施形態 | 対面授業(主として対面授業) |
| 登録番号 | 44462 |
| 設置学部・研究科 | 経済学部 |
| 設置学科・専攻 | 経済学科 タイプA・B |
| 学年 | 3, 4 |
| 分野 | 専門教育科目選択必修基本科目 G(現代経済) |
| 科目概要 | 第二次大戦後から現在までの日本経済の展開を、日本特殊な企業間関係や労使関係からなる「日本企業システム」に着目して検討する。特に「日本企業システム」の形成、変容という視点から日本企業の国際競争力や日本経済の諸問題について考えていく。 |
| K-Number | FEC-EC-34162-212-07 |
| 科目設置 | 学部・研究科 | FEC | 経済学部 |
|---|---|---|---|
| 学科・専攻 | EC | 経済学科 | |
| 科目主番号 | レベル | 3 | 3年次配当レベル |
| 大分類 | 4 | 専門教育 基本科目 | |
| 小分類 | 16 | 講義 - 現代経済 | |
| 科目種別 | 2 | 選択必修科目 | |
| 科目補足 | 授業区分 | 2 | 講義 |
| 授業実施形態 | 1 | 対面授業(主として対面授業) | |
| 授業言語 | 2 | 英語 | |
| 学問分野 | 07 | 経済学、経営学およびその関連分野 | |
授業科目の内容・目的・方法・到達目標
日本経済は2022年にパンデミックのショックから回復した。しかしほぼ同時に多くの不確実性に遭遇した。世界的なインフレの波は日本にも及び、22年12月の消費者物価指数は前年比4%高で40年ぶりの上昇率となった。多くの経済専門家は長期にわたる低インフレないしデフレが日本の経済停滞の刻印と見てきたが、この外的価格ショックの結果は何をもたらすのか、注目されるところだ。つまり、企業や働く人々が長年の静的なマインドセットを変えて賃金上昇に動き、最終的には支出増、成長率の上昇につながるのだろうか。他方で経済がスタグフレーションに陥るリスクもゼロではない。
インフレの昂進により、世界各国の中央銀行は急速な利上げに動いている。このため23年の経済減速は必至だが、その程度は予測が難しい。中国に目を転じると、22年末からのコロナ規制の急激な緩和は世界経済の成長増に寄与するだろう。しかし他方でその需要拡大の加速は他国のインフレ対抗策を相殺し、金融政策の一層の緊縮を招く可能性もある。さらに円の為替レートに関してはどちらの方向に動くのかは誰も確たることは言えない。
以上は本稿執筆時(23年1月)の日本経済を巡る不確実性の例だが、これらも一部に過ぎない。しかし、だからと言って底流にある日本の構造問題は消え去るものではない。日本の人口は高齢化で世界をリードする一方で規模は縮小している。これは年金や医療などの社会保障に制約を課す。地政学的な緊張も和らぐ兆候はなく、企業は継続的に国際的なサプライチェーンの見直しと再構築に努めざるを得ない。
多くの産業は変容を迫られている。AIなどのデジタルイノベーションは多くのスタートアップの事業創造の源だが、既存のビジネスモデルに広く動揺を与えている。最近では現代経済の要塞ともいえる金融や自動車産業にも衝撃波が及んでいる。さらに、環境の要請は経済全体を脱炭素に向けて転換を迫る。これにより多くのビジネスチャンスが生まれるが同時に産業変動も不可避だ。
このように考えてくると、日本経済について多くの問題が問われるのは自然なことだ。新たな日銀総裁の下での金融政策は経済にどのような影響を与えるのか。巨額の感染症対策による債務増や増大する社会保障ニーズに対応する、信頼できる経済財政シナリオはあるのだろうか。
日本の経済成長の見通しを改善するための政策とは何か。例えば労働市場の改革、移民政策、家庭が子供の数を増やせるような支援策はどうか?日本の企業部門はどうしたらもっと活性化できるのか。例えば企業のリスクテークを拡大したり、あるいは急成長するスタートアップ企業の増加を促すことは可能か?日本の製造業の強化策は?輸出志向の農業の可能性は?
我々につきつけられているのは、こうした問題である。講師の日本政府、国際機関(OECD)、投資ビジネスでの経験にも依拠しながら、本コースでは経済学の知識とデータに基づく双方向の議論によって現代経済への理解を深めたい。
このコースは今期後半の「現代日本経済論b」に続く。日本経済の総合的な理解のためにはaおよびb両方の受講が望ましいが、片方だけの受講も可能とする。 PCP以外の学生も受講可能である。
インフレの昂進により、世界各国の中央銀行は急速な利上げに動いている。このため23年の経済減速は必至だが、その程度は予測が難しい。中国に目を転じると、22年末からのコロナ規制の急激な緩和は世界経済の成長増に寄与するだろう。しかし他方でその需要拡大の加速は他国のインフレ対抗策を相殺し、金融政策の一層の緊縮を招く可能性もある。さらに円の為替レートに関してはどちらの方向に動くのかは誰も確たることは言えない。
以上は本稿執筆時(23年1月)の日本経済を巡る不確実性の例だが、これらも一部に過ぎない。しかし、だからと言って底流にある日本の構造問題は消え去るものではない。日本の人口は高齢化で世界をリードする一方で規模は縮小している。これは年金や医療などの社会保障に制約を課す。地政学的な緊張も和らぐ兆候はなく、企業は継続的に国際的なサプライチェーンの見直しと再構築に努めざるを得ない。
多くの産業は変容を迫られている。AIなどのデジタルイノベーションは多くのスタートアップの事業創造の源だが、既存のビジネスモデルに広く動揺を与えている。最近では現代経済の要塞ともいえる金融や自動車産業にも衝撃波が及んでいる。さらに、環境の要請は経済全体を脱炭素に向けて転換を迫る。これにより多くのビジネスチャンスが生まれるが同時に産業変動も不可避だ。
このように考えてくると、日本経済について多くの問題が問われるのは自然なことだ。新たな日銀総裁の下での金融政策は経済にどのような影響を与えるのか。巨額の感染症対策による債務増や増大する社会保障ニーズに対応する、信頼できる経済財政シナリオはあるのだろうか。
日本の経済成長の見通しを改善するための政策とは何か。例えば労働市場の改革、移民政策、家庭が子供の数を増やせるような支援策はどうか?日本の企業部門はどうしたらもっと活性化できるのか。例えば企業のリスクテークを拡大したり、あるいは急成長するスタートアップ企業の増加を促すことは可能か?日本の製造業の強化策は?輸出志向の農業の可能性は?
我々につきつけられているのは、こうした問題である。講師の日本政府、国際機関(OECD)、投資ビジネスでの経験にも依拠しながら、本コースでは経済学の知識とデータに基づく双方向の議論によって現代経済への理解を深めたい。
このコースは今期後半の「現代日本経済論b」に続く。日本経済の総合的な理解のためにはaおよびb両方の受講が望ましいが、片方だけの受講も可能とする。 PCP以外の学生も受講可能である。
授業の計画
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成績評価方法
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参考書
The Japanese Economy (The MIT Press) (2020, 2nd Edition)
Takatoshi Ito, Takeo Hoshi
Takatoshi Ito, Takeo Hoshi