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研究会A
担当者名 | 渡辺 将人 |
---|---|
単位 | 4 |
年度・学期 | 2025 春 |
曜日時限 | 火4,5 |
キャンパス | 湘南藤沢 |
授業実施形態 | 対面授業(主として対面授業) |
登録番号 | 34675 |
設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
学年 | 1, 2, 3, 4 |
分野 | 研究プロジェクト科目研究会 |
評語タイプ | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
前提科目・必須 | 地域と社会(米州)/REGION AND SOCIETY (THE AMERICAS) マスコミュニケーションのいずれか |
前提科目・推奨 | REGION AND SOCIETY (THE AMERICAS) or |
関連科目 | C1087 国際関係論/INTERNATIONAL RELATIONS C1090 安全保障と国際紛争/INTERNATIONAL SECURITY AND CONFLICT STUDIES C1140 比較体制論/COMPARATIVE POLITICAL AND ECONOMIC SYSTEMS C1072 政策過程論/POLICY MAKING PROCESS C1006 歴史と文明/WORLD HISTORY AND CIVILIZATION C1089 外交と戦略/DIPLOMACY AND NATIONAL STRATEGY C1101 地域と社会(アジア・大洋州)/REGION AND SOCIETY (ASIA-PACIFIC) C1102 地域と社会(欧州・CIS)/REGION AND SOCIETY(EUROPE AND CIS COUNTRIES) C1157 地域と社会(中東)/REGION AND SOCIETY (MIDDLE EAST) ほか |
開講場所 | SFC |
履修条件 | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
履修者制限の有無 選抜エントリーが必要な科目は、SOL-Aでエントリーしてください。 ※CNSアカウントを所持している、総合政策学部、環境情報学部、政策・メディア研究科、看護医療学部、及び、健康マネジメント研究科以外の学生はシステムでエントリーできません。 K-Supportニュースに掲載の案内を確認してください。 | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
選抜方法 | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
履修者制限詳細 | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
受け入れ予定人数 | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
課題提出タイプ | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
連絡先メールアドレス | ログインすると表示されます(要慶應ID)。 |
科目概要 | 研究会の履修を通じて「卒業プロジェクト」に向けて、教員と学生が共に考えながら、多様な課題に取り組んでいく。SFC では「問題が与えられ、正解を教わる」のではなく「何が問題かを考え、解決方法を創出する」ことができる、「未来の先導者」を育成、輩出することを目指している。それを実践するための「研究会」は単なるゼミのような勉強グループではなく、企業との共同研究や官公庁からの委託研究など、先端的な研究活動が数多く行われている。それらに参加して実社会の問題に取り組むことによって高度な専門性を身につけ、自らの「未来創造の成果」として、また、自らが未来へ前進するときの「自分自身のプロポーザル」として、卒業プロジェクトを作成する。 |
K-Number | FPE-CO-05003-211-86 |
科目設置 | 学部・研究科 | FPE | 総合政策・環境情報学部 |
---|---|---|---|
学科・専攻 | CO | ||
科目主番号 | レベル | 0 | 学部共通 |
大分類 | 5 | 研究プロジェクト科目 | |
小分類 | 00 | 研究会 | |
科目種別 | 3 | 選択科目 | |
科目補足 | 授業区分 | 2 | 講義 |
授業実施形態 | 1 | 対面授業(主として対面授業) | |
授業言語 | 1 | 日本語 | |
学問分野 | 86 | 総合・複合領域(社会科学系) |
講義概要
アメリカ政治外交を研究の柱とする本研究会は、アメリカの内政と外交の相互の影響を考えていきます。どこまで世界の問題に介入すべきか、自由貿易協定を結ぶべきか等、外交政策にも、国内の経済や労働問題、リバタリアンとかネオコンと呼ばれるような政治理念、大統領支持率と内政の進捗などが密接に関係し、その度合いは近年とりわけ強まっています。エスニック集団や教会は、特定の国や争点に関係した政策を強く望むこともあります。アメリカは民主党と共和党の二大政党制ですが、政党を横断して内政から外交まで争点ごとに遍在する保守とリベラルの潮流も、政治の大きな動力です。
研究会で念頭にあるのは、政策の実現過程に何が必要かを問い直す目線です。例えば、アメリカ連邦議会では優れた政策提言が政治的な理由で葬られていきます。政策が実現しない理由は必ずしも政策固有の問題ではありません。その政策プランや法案がもし実行できたら、医療も住宅も改善するかもしれません。しかし、敵対政党、選挙区の圧力など、政治的な事情で廃案にされていく中で、政策として優れたものを作ると同時に、実現させる工夫や合意形成からの逆算、さらに言えば、何が良い政策かは受益者をどこに設定するかで当然変わってくるわけです。そうした政策の実現過程を探る上で、本研究会ではとりわけデモクラシーの主要な入力過程である選挙、そして伝統的なメディアおよびソーシャルメディアを含む政治コミュニケーションの動態を分析の土台にしていきます。
アメリカでは支持政党のみならず国民世論が、保守とリベラルに分極化しています。そこでのメディアの機能も無視できません。メディア自身が保守陣営とリベラル陣営に分かれて対立軸の増幅を演出するなか、1990年代以降2極化は激しさを増し、討議型民主主義が空虚化する危険も叫ばれています。アメリカにおける保守とリベラルとは思想であると同時に、コミュニティの地域性、人種およびエスニック起源、信仰などが半ば集団的に規定するアイデンティティであることも少なくありません。こうした政治的、文化的、歴史的な文脈にも目を向けます。
政治学や国際関係を学術的に研究する上で理論は欠かせませんが、他方でとりわけ若い頃の、異文化や言語、海外体験への純粋な好奇心は荒削りでも大いに価値があります。それが地域研究の基礎体力を鍛えることにもなります。地域への洞察なしには当該地域で収集されたデータを意味づけることもできません。しかし、20世紀以降の「覇権」やテクノロジーが急速に変容する中、超大国アメリカの影響やデモクラシーの行方、そして日本の周辺を取り巻く米中関係、台湾情勢、朝鮮半島などをめぐるアメリカ外交を解釈するには、アメリカを相対的に理解する比較の視座も必要です。アメリカは例外的な国と言われますが、なにがどの程度「例外」なのか。差異に焦点を絞るのか、類似性を抽出するのか、どの対象と何を基準に比較するのかでも、浮き彫りになる実像は変容します。本研究会では、アメリカ地域研究と比較政治および比較メディア研究の両輪で、国際社会におけるアメリカやデモクラシーのあり方について皆さんが知見と議論を組み立ていく場を提供します。日本やアジアのデモクラシーとの比較、権威主義体制と自由の問題などに幅広く関心がある学生も大いに歓迎します。
研究会で念頭にあるのは、政策の実現過程に何が必要かを問い直す目線です。例えば、アメリカ連邦議会では優れた政策提言が政治的な理由で葬られていきます。政策が実現しない理由は必ずしも政策固有の問題ではありません。その政策プランや法案がもし実行できたら、医療も住宅も改善するかもしれません。しかし、敵対政党、選挙区の圧力など、政治的な事情で廃案にされていく中で、政策として優れたものを作ると同時に、実現させる工夫や合意形成からの逆算、さらに言えば、何が良い政策かは受益者をどこに設定するかで当然変わってくるわけです。そうした政策の実現過程を探る上で、本研究会ではとりわけデモクラシーの主要な入力過程である選挙、そして伝統的なメディアおよびソーシャルメディアを含む政治コミュニケーションの動態を分析の土台にしていきます。
アメリカでは支持政党のみならず国民世論が、保守とリベラルに分極化しています。そこでのメディアの機能も無視できません。メディア自身が保守陣営とリベラル陣営に分かれて対立軸の増幅を演出するなか、1990年代以降2極化は激しさを増し、討議型民主主義が空虚化する危険も叫ばれています。アメリカにおける保守とリベラルとは思想であると同時に、コミュニティの地域性、人種およびエスニック起源、信仰などが半ば集団的に規定するアイデンティティであることも少なくありません。こうした政治的、文化的、歴史的な文脈にも目を向けます。
政治学や国際関係を学術的に研究する上で理論は欠かせませんが、他方でとりわけ若い頃の、異文化や言語、海外体験への純粋な好奇心は荒削りでも大いに価値があります。それが地域研究の基礎体力を鍛えることにもなります。地域への洞察なしには当該地域で収集されたデータを意味づけることもできません。しかし、20世紀以降の「覇権」やテクノロジーが急速に変容する中、超大国アメリカの影響やデモクラシーの行方、そして日本の周辺を取り巻く米中関係、台湾情勢、朝鮮半島などをめぐるアメリカ外交を解釈するには、アメリカを相対的に理解する比較の視座も必要です。アメリカは例外的な国と言われますが、なにがどの程度「例外」なのか。差異に焦点を絞るのか、類似性を抽出するのか、どの対象と何を基準に比較するのかでも、浮き彫りになる実像は変容します。本研究会では、アメリカ地域研究と比較政治および比較メディア研究の両輪で、国際社会におけるアメリカやデモクラシーのあり方について皆さんが知見と議論を組み立ていく場を提供します。日本やアジアのデモクラシーとの比較、権威主義体制と自由の問題などに幅広く関心がある学生も大いに歓迎します。
授業科目の内容・目的・方法・到達目標
「アメリカの考え」というのは政府の最終決定のことを指していることが少なくありません。しかし、そこに至るまでには多様な議論が存在します。選挙では僅差でも多数派が権力を握りますが、勝者総取り方式では州の選挙人勝敗でも半数近くが賛同しないまま決まることもあります。立場が割れたまま、どのような方法で民意を統合していけばよいのでしょうか。政党の候補者選びの段階から有権者を参加させる予備選挙というのは一つの方法かもしれませんし、議会、司法さらには州や自治体への権力の分散も関係しているかもしれません。
私たちは統合的に示される「公式」の「アメリカの意思」の背後に存在する多様で複雑なアメリカの実態に迫らなければなりません。アメリカが推進したはずのTPP(環太平洋経済連携協定)を離脱したのは、トリガーとしてはオバマ政権がトランプ政権に移行したからですが、そのトランプ政権の決断を望む有権者が元々存在したからでもあります。だからこそTPPが大統領選挙で争点化し、推進派のオバマ政権側の民主党候補が敗北しました。アメリカの有権者の中に相当数の反対派がいたわけで、TPP推進の過程で語られた「アメリカの願望」は「オバマ政権の願望」と理解されなければ正確さを欠きます。
民意の政策への転換は「数」(票数)とは限りません。影響力はロビイング、議員の再選上の州や選挙区での優先、有力議員と大統領の貸し借り関係、メディアでのアジェンダ設定、草の根のアクティビズム(古典的な政治運動からソーシャルメディアまで)、政治経済上の時勢などが複雑に絡み合います。
アメリカ政府が公式に示す立場と市民レベルの議論にはズレもあります。デモクラシーにおいては何らかの政策や公式な見解がアウトプットされる前哨段階には必ず議論の対立が存在しますが、アメリカの場合は学術・シンクタンク・メディアなど政策コミュニティのレベルでも、市民運動・活動家など政治運動レベルでもあまりに多様なアクターが別の優先順位と利害を抱えています。この動態を読み解くことなしには、大統領選挙や連邦選挙などの選挙情勢を理解することができなけだけでなく、政権が繰り出す政策の含意とその可変性や脆弱性の実態を見誤ることになります。
外交は長年このプロセスからある程度「隔離」されていましたが、近年その距離は縮まり、外交の内政化、あるいは内政文脈で外交的案件を扱う現象が顕著になりつつあります。世論形成においてもマスメディアを握っていればアジェンダ設定できた時代は終わり、ソーシャルメディアが大きな影響力を及ぼしています。そこで本研究会は、人種エスニック集団、選挙キャンペーン、選挙を揺るがす政治争点と外交への影響、ポピュリズム、ジャーナリズムやメディアの分析、デジタル技術のデモクラシーへの影響、選挙の「アメリカ化」、台湾や韓国などアジアの選挙とデモクラシーとの比較など、多様な切り口からの関心と問題意識を持つ学生をとりわけ歓迎します。
私たちは統合的に示される「公式」の「アメリカの意思」の背後に存在する多様で複雑なアメリカの実態に迫らなければなりません。アメリカが推進したはずのTPP(環太平洋経済連携協定)を離脱したのは、トリガーとしてはオバマ政権がトランプ政権に移行したからですが、そのトランプ政権の決断を望む有権者が元々存在したからでもあります。だからこそTPPが大統領選挙で争点化し、推進派のオバマ政権側の民主党候補が敗北しました。アメリカの有権者の中に相当数の反対派がいたわけで、TPP推進の過程で語られた「アメリカの願望」は「オバマ政権の願望」と理解されなければ正確さを欠きます。
民意の政策への転換は「数」(票数)とは限りません。影響力はロビイング、議員の再選上の州や選挙区での優先、有力議員と大統領の貸し借り関係、メディアでのアジェンダ設定、草の根のアクティビズム(古典的な政治運動からソーシャルメディアまで)、政治経済上の時勢などが複雑に絡み合います。
アメリカ政府が公式に示す立場と市民レベルの議論にはズレもあります。デモクラシーにおいては何らかの政策や公式な見解がアウトプットされる前哨段階には必ず議論の対立が存在しますが、アメリカの場合は学術・シンクタンク・メディアなど政策コミュニティのレベルでも、市民運動・活動家など政治運動レベルでもあまりに多様なアクターが別の優先順位と利害を抱えています。この動態を読み解くことなしには、大統領選挙や連邦選挙などの選挙情勢を理解することができなけだけでなく、政権が繰り出す政策の含意とその可変性や脆弱性の実態を見誤ることになります。
外交は長年このプロセスからある程度「隔離」されていましたが、近年その距離は縮まり、外交の内政化、あるいは内政文脈で外交的案件を扱う現象が顕著になりつつあります。世論形成においてもマスメディアを握っていればアジェンダ設定できた時代は終わり、ソーシャルメディアが大きな影響力を及ぼしています。そこで本研究会は、人種エスニック集団、選挙キャンペーン、選挙を揺るがす政治争点と外交への影響、ポピュリズム、ジャーナリズムやメディアの分析、デジタル技術のデモクラシーへの影響、選挙の「アメリカ化」、台湾や韓国などアジアの選挙とデモクラシーとの比較など、多様な切り口からの関心と問題意識を持つ学生をとりわけ歓迎します。
研究会テーマ
アメリカ政治外交研究:デモクラシー、メディア、選挙
研究会・来期の研究プロジェクトテーマ予定
アメリカ政治外交研究:デモクラシー、メディア、選挙
準備学修(予習・復習等)
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授業の計画
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成績評価方法
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テキスト(教科書)
適宜指示します
参考書
『メディアが動かすアメリカ』(ちくま新書)、『見えないアメリカ』(講談社現代新書)、『台湾のデモクラシー』(中公新書)、『現代アメリカ選挙の変貌』(名古屋大学出版会)いずれも渡辺将人など。
担当教員から履修者へのコメント
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